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2004年01月25日 02:54に投稿されたエントリーのページです。

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枯渇

文化世論調査:芸術鑑賞しない人、半数に迫る 過去1年
http://www.mainichi.co.jp/news/flash/shakai/20040125k0000m040004004c.html

私は今、自分が目指している職業に必要なスキルや経験を積もうと躍起になっています。特にコンピュータ系の知識やスキルを多く身につけていかなければなりません。

ところで、私が毎週土曜日になると見ているテレビ番組に、「出没!アド街ック天国」(テレビ東京)があります。24日の特集は「神田神保町」でした。神保町といえば古書の街として有名で、私も学生時代には足繁く通いました。番組の中で紹介していたこの街のイメージはだいたい次のような感じでした。

「どんな古本に出会えるかを楽しみに、店から店へとそぞろ歩きを楽しむ。買った本は喫茶店ですぐに繙き、『これは当たりだ!』という本に出会えたら最高の気分を味わう。」

古本屋巡りをするというのはだいたいそんなものだと思いますし、それでいいと思います。特に神保町を歩くときは。

ただ、私はそのような「神保町の歩き方」を見て、違和感を持ってしまいました。「目的の書籍もなく、『何か良い本はないか』と古書店巡りをするなんて意味がないのではないか。『これが欲しい』という本をあらかじめ決めて、目的の本のジャンルに強い古書店にターゲットを絞って足を運んだほうがいいんじゃないか」と。いや、ターゲットの古書店を定めて足を運ばなくても、最近はインターネットで目的の本を検索して注文することもできます。「ブックオフ」のような古本リサイクル事業者が運営する Web サイトを言っているのではありません。既存の古本屋がインターネット上で古書の注文を受け付けているのです。神保町の古書街も同じく Web サイト を運営しています。それだけではありません。「Yahoo! オークション」などのオークションサイトもあります。これらをうまく利用すれば、目的の本が比較的たやすく手に入ります。

でも、もし時間とお金に余裕さえあれば、先述のような古書街(神保町)巡りをしたっていいでしょう。別に否定するようなことではありません。

それなのに「目的第一」「効率第一」といったような考えが先ずあって、そぞろ歩きを否定してしまうところに、「今の自分には精神的・時間的余裕がないのだなぁ」と思います。職業的・経済的基盤がしっかりしておらず、いろいろと研鑽を積まなければならない以上、精神的・時間的余裕がなくても仕方がないのですが、それでもどこか一人の人間として枯渇しているなぁという気がします。

「コンピュータという未来志向のモノで頭がいっぱいだから、過去の遺物である古本になど興味がまわらない」。いや、それもちょっと違う気がします。たしかに古書街に並んでいる本が出版された頃に XML だの Unicode だの FrameMaker だのといったものはありませんでした。でもハードウェア/ソフトウェアやらプログラミング言語やらを作ったのは人間ですし、人間が持つ何らかの思想や哲学、発想があったからこそ生まれたものだと思います。そういう意味では「古書店に並ぶ古い本」と「コンピュータ」を対立軸で考えるのは必ずしも正しいとは言えないと思います。
「とりあえず今は、ある程度枯渇した状態でいるしかないのかもしれない。」 そんなことをふと思ったひとときでした。