8月19日にも取り上げた、TCシンポジウム2004(テクニカルコミュニケーター協会主催)に行ってきました。
どうせ会社でレポートを書かされると思うので、記憶が新しいうちに覚え書きとして残しておこうと思います。
ちょっと専門的な内容も含まれますが、できるだけ平易に記していくことにします。
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1日目(9月2日)
午後 PDF & Acrobat 実践 〜徹底研究!印刷用PDFデータのISO版ガイドライン「PDF/X」〜(特別セッション)
つい最近のこと、外部の協力会社に制作を依頼しているPDF形式のマニュアルを印刷会社に入稿する際にトラブルが生じました。印刷会社はPDFファイルを元データにして紙への印刷を行うのですが、そのPDFファイルに問題があるため印刷ができないというのです。入社したてで印刷・DTP関連の知識があまりなかった私はこのトラブルに対処することができませんでした。そこで、印刷・DTP知識を強化するとともにトラブルの原因や今後の再発防止対策を把握するため、このセッションを受講しました(受講料10,000円)。
ポイントを自分なりにまとめると、
・ISOで決められた基準に従ってデータを作成し、基準を満たさない点はツールを使って満たすよう改変を加えることで紙への印刷も問題なくできるようになる
・基準に従ってさえいれば、DTP作業を行う環境と印刷会社の環境(コンピュータのOS、具体的にはMac OS/Windows/Mac OS X)が必ずしも同じでなくてもよい
ということになります。
ただ、基準に従ってPDFファイルを作成するにはソフトウェア(Adobe Acrobat、Enfocus PitStop)の最新版が必要です。それにはコストが発生しますし、果たして会社が最新版を購入するのか(旧バージョンなら社内で運用しています)。せっかくの有用なトラブル対処法も只では実行できない、それなりの投資が必要ということで、今回自分が取得した知識を今後どこまで活かすことができるのかはまだわかりません。
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2日目(9月3日)
午前 「作る人、創れる人」−人材育成の現在・過去・未来 〜これからの人材育成はどうあるべきか〜
タイトルからわかるとおり、後進のテクニカルコミュニケーター(テクニカルライター、編集者…etc.)を育てていくための手立てを考えるといった内容です
私は育成する立場ではなく逆に育成される立場です。しかし、私は常日頃から「自分で自分を育成していく」というスタンスです。新しい仕事に携わるようになり、「自分をどういう方向性でどのように育成していったらよいのか」ということが最近の私のテーマとなっていました。そこで、今後のキャリアプランを立てたり、どのような能力を身につけていったらよいのかを知ったりするうえで参考になりそうだと考え、このディスカッションを受講することにしました。
受講してみると、なかなか示唆に富んだ内容でした。
途中、難しい経営学の話が出てきました。ちんぷんかんぷんでしたが、話の内容を理解できないなりによく聞いてみると人材育成の話と関係があることがわかりました。直近の課題ではないと思いますが、今後業務経験を積み重ねていってさらに自分を向上させるにあたってはこのような勉強をするのがよいのかな、と思いました。
結局、何か結論が出たわけではないですが、各パネリストの方々のご意見が今後自分自身を成長させていったり業務を進めていったりするうえでのヒントになりました。仕事内容に直結する内容ではありませんが、たまにはこういう内容のディスカッションに参加するのもいいものだと思います。
私とは直接関係ありませんが、育成する立場の方々は後輩の育成に苦慮されているのだなぁと感じました。「モチベーションの維持」ということが話の中に出てきたのですが、私はそもそも自分から進んでマニュアル業界に入ったわけで、やる気があって当たり前です。今は業界に入ってから間もないので関係ないのかもしれませんけど、経験を積んでいくうちに「もうマニュアル関係の仕事は飽きた」ということになっていまうのでしょうか。そうはなりたくないものです。
今回参加したセッション・パネルディスカッションの中で唯一、今の業務には直接関係ない内容のものです。現在の会社に入る前の半年間翻訳会社に勤めており、「ローカライズという仕事とは」「かつて自分が身を置いたローカライズ業界は今後どうなっていくのか」といった漠然とした疑問があったこと、ローカライズの仕事を離れたことでそのまとめ(総決算)をしたいというのが受講の動機でした。
残念ながら、期待したほどの内容ではありませんでした。というのも、(この点についてはコーディネーターの方も認めていらっしゃいましたが)あらかじめ紹介された内容とは話が別の方向に向かってしまい、当初設定されたテーマに対する回答がはっきりと提示されなかったためです。ディスカッションも終わりに近づいたところで聴講者の1人が「テーマに沿った何らかの回答が欲しい」と言って、初めてそこでそれらしい回答が得られたところです。
1つ得られたことと言えば、日頃「ローカライズ」「ローカリゼーション」「ローカライゼーション」と呼んでいる作業の位置づけについてです。LISAの定義によれば、「」
ディスカッションの内容の善し悪しとは関係なく、受講し終えて改めて思ったのが、「もうローカライズの仕事には携わりたくないな」ということでした。ローカリゼーション(ローカライゼーション)業務では効率が重視され、とにかく短期間に或る言語から他の言語への展開をすることが要求されます。マクロを組んで翻訳対象ファイルを操作したり、場合によっては品質は或る程度二の次で別の言語に置き換えることが重視されたりするのが現状です。そういう仕事よりも今のマニュアル編集の方が、作業対象に対して深く介入できる(内容のチェックなど)ので自分の性に合っていると感じています。転職後もローカライズの仕事に対して抱いていた期待や未練のようなものが、今回このディスカッションを聴講したことでなくなりました。その点で、受講した時間は無駄ではなかったのかもしれません。
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去年のシンポジウムに参加したときは、まだ前の前の会社に在籍していました。とにかくテクニカルライターの仕事に就きたくて、業界の方に認めていただきたくて必死でした。「シンポジウムに参加した」という事実を転職活動の際にアピール材料にしていたところがあります。しかし今年は違います。結局テクニカルライターにはならなかったもののエディターとしてマニュアル制作に携わっていること、業務上で発生した問題の解決のために参加していること、会社から参加費を出してもらっていること… いろいろな点が異なっていて、参加者として余裕ができたのかなという気がします。少しはテクニカルコミュニケーターとして成熟できたのかな、と思います。