http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20050201i111.htm
驚いた。
「一太郎」も「花子」も、JUSTSYSTEMにとっては看板商品。
私は、「一太郎」も「花子」も使っちゃいない(特に「花子」は一回も弄ったことがない」)ので、販売中止になったとしても直接被害を被ることはないけど、間接的にならあるかもしれない。どういうことかというと、(今後高裁や最高裁まで裁判が進んだとして)最終的に本当に販売中止になったとしたら、JUSTSYSTEMが多かれ少なかれダメージを受け、会社の屋台骨が危なくなってしまい、これら以外の製品を使っている私も巻き込まれるんじゃないかということ。
もっとも、今月10日には後継の「一太郎2005」が発売されることになってるので、本当に販売中止になったとしてもダメージは多少和らぐだろうけど。
「一太郎」がダメダメなのは、まず一時期翻訳会社で働いていた立場から言わせてもらうと、「TRADOS」「TRANSIT」などメジャーな翻訳支援ツールとの連係をサポートしていない(というか、サポートしてもらっていない)こと。別にビル・ゲイツの懐をこれ以上豊かにしようとは思わないけど、必然的に「Wordを使いましょう」ということになる。「TRADOS」も「TRANSIT」も世界各国で数多くの言語への展開に使われているし、「一太郎」の方がWordと並ぶくらい世界的なワープロソフトにならない限り、この点では勝ち目がないでしょう。
あと、姉妹製品である表計算ソフト・データベースソフトがマイナーな存在にとどまっていること。前者は「三四郎」、後者は「五郎」という製品名だけど、わざわざJUSTSYSTEMのWebサイトでも訪れない限り、これらの製品名を見聞きすることはまずない。
もう一つ、Mac OS Xに対応していないこと。「一太郎」なんかMac版はバージョン5以降リリースされてないし、会社も自宅もWin/Macが混在している環境にいる私にとってはわざわざ選択する価値がない。じゃあ今からでもMac OS X版を開発すればいいかっていうと、そうでもないだろう。オープンソースで作られているOpenOffice.orgのMac OS X版「NeoOffice」が広く流通したら、もうダメだろう。
───────────────────────────────────
じゃあJUSTSYSTEMそのものがダメダメかっていうと、そんなことはない。
まず、「一太郎」がダメでも「ATOK」がある。WindowsにしろMac OS XにしろOS標準のIMEに比べたら多少は高性能だし、わざわざお金を払ってまで買う価値はある(と私は思っている)。ちなみにこの文章も(Mac OS X版の)ATOK16を使って書いている。なんといってもWin版とMac版の両方があるので、登録した単語を両方で共有できるのがいい(「ATOK Syncツール」を使って同期している)。
それに、メールソフト「Shuriken Pro 3」がある。私は「一太郎9」(1999年)のオマケとしてついてきた「Shuriken」から使い続けているのだが、年々使い勝手やインターフェースが洗練されてきて、良くなってきた。セキュリティの問題などもあり、ことメールソフトに関してはMicrosoft(「Outlook Express」)よりはこちらの方が上を行っている(と思う)。
あと、最近は「図解マスター」なんてソフトもリリースしている。最近マインドマップにちょっと興味を持ち始めた私としては、関心をそそられるソフトだ。
もひとつ、「地図スタジオ」なんてのもある。これはエー・アイ・ソフトの「まっぷっぷ」とまともに競合しているみたいだけど…
かつてリリースした「インターネットブーメラン」は見事にズッコケてしまった(ちなみに筆者はかつて南青山の東京本社までわざわざこの製品のプレゼンテーションを聴きに行ったが、結局買わなかった)が、どうやらこの会社はビジネスにおける「頭の使い方」に特化した製品に強いようだ。あとはATOKのような「言語解析」のようなものにも。
だとしたら、ちょっとニッチな、おそらくフリーウェア・シェアウェアしかサポートしていないような分野に入り込んでやっていけばいいのではないだろうか。まともにMicrosoftと喧嘩しても太刀打ちできないだろうから、ちょっと違った道を行くのだ。
───────────────────────────────────
とにもかくにも、今回の件で金銭面・企業イメージなどで大きなダメージを受けて、今或る程度のユーザーを獲得している製品まで売れなくなってしまうような事態だけは避けなければならない。