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2005年04月16日 14:30に投稿されたエントリーのページです。

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マツケンをバラエティに起用するフジテレビの浅はかさ

 なんだか日刊ゲンダイの記事みたいなタイトルだけど。

 12時過ぎ、隣の部屋から聞こえるテレビの音声で目を覚ました。その音声の主は、今日スタートの新番組「バニラ気分!」(フジテレビ)だった。
 なんでもあのマツケン初めて挑戦するバラエティ番組とかで、マツケンが今田耕司やオセロ、ゲストの唐沢寿明らとトークを繰り広げていた。

 時代劇俳優のバラエティ番組出演といえば、今からちょうど20年前、「天才・たけしの元気が出るテレビ!」(日本テレビ)で、それまで任侠ものの映画や時代劇を活動の場としてきた松方弘樹さんがレギュラー入りしたことで話題になったことがあった。この番組は北野武をはじめとするレギュラーが、伊藤輝夫(テリー伊藤)の演出に乗る形でいろいろとお馬鹿なことをやって我々視聴者を楽しませてくれた。松方さんもこのときがバラエティ番組のレギュラー初体験だったけど、他のレギュラーと対等な立場で一緒になって面白いことをやってくれた。北野武と松方さんはそんなに年齢が離れておらず、息も合っていたようだった。
 さて今回、やはり時代劇を主な活動の場としてきたマツケンが、同じように初めてバラエティ番組のレギュラーを体験する。「元気が出るテレビ!」と比べて「トーク中心」「マツケン自身はコントなどお笑いに挑戦しない」などの相違点はあるが、それを抜きにしても今回は何かが違うのだ。見ていて、どうも楽しめない。
 それは、マツケンと他のレギュラー陣とのバラエティ番組に対する温度差、立場の差だ。
 マツケンはどちらかといえば饒舌な人ではない。やや堅物のイメージがある(だからこそ、あんな派手な衣装で「マツケンサンバII」を踊ることが、日頃のイメージとのギャップがあって面白いのだ)。そんなマツケンを、今田やオセロといった関西のお笑い連中が弄っているという構図がそこにはあるのだ。弄る側と弄られる側の上下関係は、普通は前者の方が上である。どうも今田やオセロの軽いノリにマツケンが合わないから、マツケンがなんだか痛々しく見えるのだ。

 なんでこんなことになってしまったんだろう? このことを考える前に、そもそもフジテレビはこれまでマツケンを数多く起用してきただろうか?
 有名な「暴れん坊将軍」をはじめとして、「走れ!熱血刑事」(若きマツケンがジープに乗って犯罪捜査に活躍する刑事ものドラマ。知ってる人少ないだろうなぁ)など、民放の中ではテレビ朝日への出演が圧倒的に多いはずだ。一応「テレビドラマデータベース」で調べてみると、CXことフジテレビへの出演もそこそこ見られるがそれ以上にANB(テレビ朝日)の方がずっと多い。
 それが、昨今のマツケンサンバブームに便乗して、取って付けたようにマツケンをバラエティ番組に起用している。その番組の中身とはいえば、
・もう1ヵ月以上経ってしまった「マツケンサンバII in 東京ドーム」の模様を今さら紹介。
・レポーターとして当日会場に足を運んだ戸部洋子アナが開演中キャーキャー言っている姿を見せて「一応これでもアナウンサーです」のテロップ。
…「一応これでもアナウンサー」とわざわざ注釈を付けなければならないほど番組の中で自分の立場を忘れてキャーキャー騒いだりヘラヘラしたりするアナウンサーを数多く輩出し、アナウンサーのタレント化に火を付けたのはどこの放送局なんだ?
・シークレットゲストとして終盤に登場したカツケン(SMAP香取慎吾)とマツケンのツーショットインタビューを敢行して「二大スター夢の競演」(正確なキャッチコピーは忘れた)などとテロップを出す始末。
…「カツケン」ってもとは自局の番組(SMAP x SMAP)で勝手にマツケンをパクって作ったキャラクター。それを本物のマツケンと同等に扱って「二大スター」とはどういうこと?

 ここまできて、「さすがは軽薄路線で売ってきたフジテレビだなぁ」と思った。したたかというか、「人気者のマツケンをバラエティ番組に起用すれば話題になるだろう、視聴率も稼げるだろう」という安易な考え。「どうやったらマツケンの魅力を引き出せるだろう」など真剣に考えたら、今田やオセロのようなマツケンに茶々を入れるような輩ではなく、もうちょっと知的で落ち着いたタレントを共演者に選ぶのが自然じゃないだろうか。
 「せっかくの素材も調理の仕方が悪ければ台無しになる」という一つの見本のような番組である。