本日のIMAP4への移行作業でより痛切に感じたことなのだが、HTMLメールを当たり前のように使っている人があまりに多すぎる。
最近、仕事用のメールアドレスに海外からSPAMメールが届くことが多くなってきた。今まで使っていたメールソフト(SweetMail)ではHTMLメールをデフォルトでは表示しないような仕様になっているのだが、それでもこのようなSPAMメールについてはどういうわけか強引にHTMLが表示されてしまう。
おそらく、そこには何らかの悪意あるコードなりWebバグなりが埋め込まれているんじゃないだろうか。あくまで勝手な推測だけど、やっぱり怖い。
HTMLメールは、本文に悪意のあるコードを埋め込んだりすることもできるので、セキュリティ上あまりよろしくないものとされている。
私がインターネット初心者だった1990年代末期によく購読していた「日経ネットナビ」「インターネットアスキー」「Yahoo! Internet Guide」といった雑誌には、必ずどこかで「お使いのメールソフトの設定をいじって、送信メールがテキスト形式になるようにすること」といった内容の注意が必ずといっていいほど載っていた。
「Microsoft謹製のOutlook ExpressとかOutlookでは、送信メールの形式がデフォルトでHTML形式になっているので、これをちゃんとテキスト形式で送信するように設定を変える必要がある」とも載っていた。
───────────────────────────────────
私に送られてくるHTMLメールの大抵、というかすべてが、わざわざHTML形式にしなければならないような内容ではない。
文中に画像を貼るわけでもなく、何らかの連絡事項をテキストで表記するだけのものだ。
企業が自社で扱っている商品を買わせたりするために、その商品の画像を文中に埋め込んでなおかつその商品へのリンクを張ることがある。その場合は、HTML形式で送信するだけの根拠付けがある。
しかし、テキストだけで済むような内容のメールなら、HTML形式にする必要はない。
いささか過激な表現だが、内容がテキストだけのHTMLメールを送ってくる人は、正直言って張っ倒してやりたくなってくる(笑)。
そういうメールを送ってくる人は、「私はネット上のセキュリティやネチケットに関して無知です」と、わざわざ喧伝しているようなものだ。
もっとも、HTMLメールを送ってくる人は、わざとそうしているわけではないし、悪意もない。
そもそもHTMLメールが好ましくないものだということを知らなかったり、HTMLメールとテキストメールの違いを知らなかったり、送信メールの形式をHTML形式からテキスト形式に変える術を知らなかったりするだけなのだ。
そのことは重々承知しているのだが、それでも「この人アホか?」と腹が立つことがときどきある(短気ですかね〜)。
───────────────────────────────────
HTMLメールを送ってきた相手に対していちいち「メールはテキスト形式で送ってくださいね」と指摘すればよいのかもしれないが、なかなかそうはいかない。
特に、私に仕事をあてがってくださる人相手にああでもないこうでもないと文句ばっかり言っていたら嫌われてしまい、しまいには仕事を頂けなくなるかもしれない。
ところが先日、さすがに指摘せずにはいられない状況になってしまって、お仕事を頂いている会社の若い女性に設定を変更するようお願いしなければならなくなった。
なぜかというと、彼女が送ってきたHTMLメールを、私の使っているメールサーバがSPAMと判断してしまい、サーバ上の迷惑メールフォルダに振り分けてしまったのだ。私は「送られたはずのメールがいつになっても届かない、なんで?」と思っていたのだが、迷惑メールフォルダに件のメールが振り分けられていたので、私のもとには送信されなかったのだ。
───────────────────────────────────
わざわざHTML形式で送ってくる人に限って、使っているメールソフトはOutlook ExpressやOutlookだったりする。これらのソフトに関する脆弱性が日々指摘されているというのに、「使ったら危ないかも」とは思わないんだろうか? なんで別のソフトを使わないんだろう…。
もちろん、Outlook ExpressやOutlookが100%危ないというわけでもないだろうし、他のメールソフトを使ったからといって100%危険性を回避できるってわけでもないけど。
家でじゃなくて会社で使っているとなると、その会社(とそこに在籍する社員)のセキュリティ意識の低さが窺える。
私が去年までいた会社では、これらのソフトは使用禁止だった。
───────────────────────────────────
仕方がない。HTMLメールの危険性に対して無知な人達相手に、とやかく言っても始まらない。
とりあえず、メールを貰う側がHTMLメールを極力避けるにはどうすればいいか、対策を考えるしかない。
まず、メールそのもののHTMLの部分を削除するという方法。
Shuriken Pro 3には、「マルチパートビューア」という機能がある。
メール一覧から任意のメールを選択した状態で[表示]メニューから[マルチパートビューア]を選択すると、そのメールの構造(階層)を示した[マルチパートビューア]ウィンドウが開く。添付ファイル付きのメールであればその添付ファイルが表示される。HTMLメールの場合は、テキストの部分とHTMLの部分とが表示される。
ここで後者の部分を選択して[削除]ボタンをクリックすると、ちゃんとテキストだけのメールになる(ただし、メールの「Content-Type」ヘッダは「text/plain」ではなく「 multipart/mixed」のままだけど)。
次に、メールのHTMLの部分を表示しない方法。
私は、MacでもWindowsでも、専らテキストだけのやりとりしか必要としないメールの送受信に使うソフトでは、HTML表示をオフにしている。具体的には、仕事上のやりとりで使うMail.app(Mac)とShuriken Pro 3(Windows)で、そのような設定をしている。
後者のほうは、設定をするのは簡単だ。[設定]メニューの[共通の設定]を選択すると表示されるウィンドウで[表示]タブを選択し、[メール内容の表示形式]でしかるべき項目を選択すればいい。
前者は、設定が少々やっかいだ(といっても大変ではないが)。ターミナルを起動して、こちらにあるように
defaults write com.apple.mail PreferPlainText -bool TRUE
と打ち込めばOK。
本来は、ターミナルでコマンドを打つんじゃなくて、Mail.appの環境設定画面で設定ができるようになっていないとダメだと思うけど。
───────────────────────────────────
インターネットの普及とともに、老若男女を問わずパソコンを使ってメールのやりとりなどインターネットを利用する機会が増えた。それはそれでよいことなのだが、インターネットユーザ全体のレベルはかえって下がってしまったような気がする。
個人的に最近「ネチケット」という言葉はあまり見聞きしなくなったが、それはインターネットユーザにとってネチケットが当たり前のことになった(ユーザ間に浸透した)ことと同時に、新たにネチケットを知らないユーザが多く発生していることを意味していると思う。
なぜHTMLメールは使うべきでないのか。機種依存文字にはどんなものがあって、なぜ使っちゃいけないのか。そういうことを知らない人が、かなりの数いると思う。
公共の掲示板に、ケータイでしか表示されない絵文字を使って書き込みをする人もその一部だ。
消費者金融の「プロミス」ではないが、「マネーにもマナーを」ならぬ「インターネットにもマナーを」とばかりにネチケットを卑近なところで説くような会社や団体が、どこかしらで出現するといいのだが。