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2006年06月11日 20:55に投稿されたエントリーのページです。

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虎ノ門で途方に暮れる

「第4回編集者・ライターのオフ会」という集まりに行ってきた。

場所は、虎ノ門駅のすぐ近くにあるビルの会議室。
私がSNS(mixi)で入会しているコミュニティのイベントとして開かれたもの。
会費は2,500円。

13時から開催のところ、15時過ぎに現地に到着した。スタートからもう2時間以上も経っているため、会場内では既に参加者同士の会話に花が咲いている。

こういう状態で予想が付くことではあったが、全くといっていいほど参加者同士の会話に入れない。名刺交換もできない。

入口の受付で、参加者のmixiでのハンドルネームと詳しいプロフィールが載った名簿(私自身のプロフィールも載っている)を受け取っていて、「誰に話しかけようか」というところだったが、ざっと見た限り「ぜひともこの人とお話をしたい!」という方があいにくいらっしゃらない。自分が実績ある分野、興味のある分野で書籍や雑誌を手がけている編集者やライターの人などがいればまだよかったのだが、それもない。

私は、他人から話しかけられれば普通に話せるのだが、自分から他人に話しかけるのが大の苦手。何より知らない人に話しかけるのに大きな勇気が要る(知っている人が相手でも同様)。誰かor何かに他人と話す場をお膳立てしてもらわないと、どうにも話ができない。

仕方なく、ぽつねんと部屋の脇に並べられている椅子に腰掛け、コップに入れたお茶を飲んでいる。

こういうとき、自分からフットワークも軽く人々の輪に飛び込んで、挨拶をしながら名刺を渡さなきゃいけないことはわかっている。そんなこと百も承知だ。でも、できない。わかっていてもできない。わかってりゃ、今頃苦労なんてしてないよ。恋愛も、多少はうまくいってたさ。

お見合いパーティ(今まで一度も参加したことないけど)なんかに参加したらどうなるだろう。間違いなく同じ状況になるはずだ。端から見てみっともない度合いは、このような業界関係者の集いに比べて高いだろう。「声をかけられずにぽつねんとしている」=「モテない、女性に縁遠いダメな男」ということになるからだ。
今日はそういう場ではないから、そこまで自分のみっともなさを気にする必要はないだろう。とはいえ、他の参加者から自分がどう見られているかは気になる。

こういう、自分から自分を周囲に売り出していかなければならない、積極的にアピールしなければならない点では、フリーのライターや編集者の世界も営業力の世界なのだなぁ、と思う。当たり前のことだが、ただ文章力があるというだけではダメなのだ。

ライターはライターでもテクニカルライターをはじめとするマニュアル制作業界の人が集う場では、ここまで「営業」ということを意識する必要はなかったと思う。既にメーカーやマニュアル制作会社に所属していて自分の仕事がある、つまり「仕事ください」と他の参加者に懇願する必要があまりない方が多いし、「自分の売り込みの場」というよりは「同業者同士の交流」という側面が強い気がする。

出版社や編集プロダクションなどで企画が持ち上がれば、その企画を実現するライター、イラストレーター、カメラマンなどが必要となる。その企画の有無によって仕事の発生は流動的となるし、企画のジャンルもカタめのものからアングラ系のものまで多種多様だ。しかし、マニュアルではそういうことはあまりない。制作するものは「ある製品の使い方をわかりやすく伝えるための説明書」と決まっており、内容の幅はそんなに大きくないからだ。

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しばらく腰掛けているうち、一人の方が声をかけてきた。フリーのイラストレーターの方だ。
なんでも、非常勤の学校教員だったところ友人に声をかけられて上京し、仕事を得ているのだという。
「いやー、この世界はやっぱり人との出逢いが大切なんですよねぇ。もし友人から声をかけられていなかったら、今の自分はないですもん。」
「仕事がなかったら、生活できない。」
「30年先のことを考えれば不安だが、まずはお仕事が来てそれをこなしてお金が入れば、それだけでありがたい」
東京で生まれ育ち、今も実家で暮らしている身分としては、「この人は、自分よりずっと厳しい生活環境でやっているんだよなぁ」というところだ。そんな厳しい環境でも、どうにか生活はできているのだ。

この調子で他の人にこちらから声をかけて… といけばよかったのだが、やっぱりそうもいかない。この人との話が終わればまた元の状態に戻るだけだ。
あとでわかったが、「目が合ったら(あるいは合いそうになったら)挨拶や名刺交換をする態勢になる」ということが大切なのだ。そうすれば、「近づいたものの結局言葉を交わすことなく終わる」ということがない。

その後結局、3人とお話をすることになった。印象的だったのは、現役大学生のライター。編プロ(編集プロダクション)に属しながら大学に通っているという。大学は高校までの学校教育と違って自由な時間がたくさんあるから、仕事との両立もできるのだ。名刺を見ると、ライティングのジャンルは実に幅広い。
自分が大学生の頃、「編プロ」って言葉なんか知らなかったし、そんな世界で働くことなんて考えてもみなかった。すごいよなぁ。こういう人もいるんだ。私よりずっと年下だが、素直に思った。

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結局、4人と名刺交換をして話をすることができたのだが、その4人にほぼ共通する特徴として、「今やっている仕事と、本来やってみたいと思っている仕事との間にギャップがあって、後者の仕事ができないかその機会を窺う意味でこのイベントに参加している」という点があることがわかった。「本当は芸術系のジャンルでライティングをしたいのだが、今はアングラ系のライティングをしている」といった案配だ。

そういう意味では、私も「書きたい」と思っているジャンルはある。名簿に載るプロフィールにも、その辺りのことは書いた。しかし、現状は全く違うジャンルのライティングをしている。それが現実だ。

別に現実に不満があるわけではない。ただ、できれば自分がやりたいジャンルでライティングを手がけたいと思っているのだ。それは皆同じかもしれない。

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二次会もあったが、家族の見舞いがあるので参加せず。
居酒屋が会場だったので、どこかの席に座ることになり、隣同士の人と話す機会が必ずあるはずなので、名刺交換はしやすい環境かもしれない。
でも、以上の理由により、参加は遠慮させていただいた。

終わってみて、参加費2,500円が高くついたか安いものだったかは、現時点で結論を出せない。しかし、対費用効果という点は置いといて、今後の身の振り方を考えるうえでヒントになったことは確かだ。フリーランスで働く人はどういう心境で働いているのか、今どういうふうにして働いている人がいるのか等、やっぱり今日このイベントに参加してみなければわからなかったことだと思う。

あと、思ったこと。声をかけてくださった4人に対して「私なんかで申し訳ない」ということだ。私はどこかの出版社の編集者でもないから、誰かに仕事を与えてあげたくてもできない。私には何の力もない。私なんかに「何かありましたらよろしくお願いします」と言われても、何もお役に立てないかもしれない。私とお話しする時間や、私に売り込む時間が、私をお相手してくださった方にとってはもったいない時間のように思えた。

コメント (2)

Jean=Paulさんが参加表明されているのを見て、私も行こうかどうか迷ってたんですよ、そのオフ会。
でも、気合が今は足りないと思って今回は参加しなかったんですが。
やっぱり気合が勝負みたいですね。
エネルギー充電、充電、、、

うーん、「気合」ですかぁ。
そうですね、たくさんの人達がいる中に入っていくということや、自分を売り込んで次の仕事につなげていかなきゃならないということを考えたら、たしかに必要だったのかもしれませんね。

ちなみに私の手許にある参加者の名簿の中には、いしださんが手がけておられるようなジャンルに関係した編集者やライターは残念ながら見当たらなかったと思います。
これは私にも言えることですが。