さっき、「TVチャンピオン2」(テレ東)の「そっくり人形職人選手権」(2006年11月30日分の再放送)を見た。
選りすぐりの腕利き達が、有名人のそっくり人形を時間内で(あるいはテーマごとに)作り上げていくのだが、その出場者達にも2つのタイプがあった。
一つは、ディテールを追求して対象に似た人形を作っていくタイプ。
もう一つは、対象の特徴をつかんでデフォルメした人形を作っていくタイプ。
これらのどちらが正しいやり方なのかというと、どちらとも言えないんじゃないだろうか。「似せる」ということを極限まで追求するのが良い場合もあるし、要領よくポイントをつかんでそれを表現していくのが良いこともあるだろう。
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で、番組を見ていて気付いた。
「そっくり人形を作る」という行為は、今の私の仕事にも通じるものがあるんじゃないか、と。
私の仕事は、新しい社員を必要としている会社に出かけて、その会社がどんな人を欲しがっているか聞き込んで、それを文章で表現すること。その「聞き込む」→「文章で表現する」というのが、そっくり人形作りでいう「対象物の特徴をつかむ」→「粘土などを使って人形を作っていく」という行為に相当するのだ。
求職者に正確な仕事情報・企業情報を与えるには、リアリティを追求していく必要がある。でもそれだけではダメで、事実ばかりをただズラズラと書き連ねたのであればそれは単なる「記録」「事実の羅列」にしかならない。
「求人“広告”」なのだから、どうしても「見せる(魅せる)」という部分が必要だ。読者に興味を持ってもらって、文章を読んでもらうようし向けていく工夫が必要になる。
そこで、企業へのインタビューでは、「どんな仕事内容なのか」「仕事のやり甲斐は」「一人前になるまでにどれくらいの時間が掛かるのか」「職場の雰囲気はどうか」といった一般的な質問をするだけではなく、「どんな部分がこの求人のアピールポイントなのか」「他社の同じような仕事内容の求人とどんなところで差別化を図ったらいいのか」についても訊く(あるいは自分なりに案を提示して、それを先方に確認する)ようにしている。
いろいろ話を伺ったうえで、「要するに、この求人のポイントは○○ですね」というものを私なりにつかんで、それを前面に押し出した形で文章をまとめるというわけだ。
もちろん、事実と反するデフォルメはやっちゃいけない。読者である求職者を騙すことになってしまうからだ。
でも、事実に反しない範囲であれば、読ませるための工夫はしてもいいはず。
そうやって「この求人のポイント」を前面に押し出し、なおかつその求人の内容についても事細かに説明すれば、読者からの反響(=求人への応募数)も違ってくるだろう。そういう考えで、私は普段仕事に取り組んでいる。
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話は番組のことに戻るが、決勝戦に残った2人の職人をジャッジする審査員には、やくみつる(漫画)と清水ミチコ(モノマネ)の2人が名を連ねていた。
実は私、この2人が大好き。本やテレビでその仕事ぶりを拝見しては、いつも感心したりゲラゲラ笑ったりしている。
今日もこの番組を見ながらやく氏の漫画のことが頭に浮かんでいたので、本人が番組に登場したときには思わずビックリしてしまった。
実在の人物の特徴を上手くつかんでフィクションのストーリーをまとめ上げるやく氏の仕事も、声色や顔の特徴をモノマネという形で提示する清水氏の仕事も、当然「そっくり人形の制作」という行為に通じるものがある。そういう意味で、この審査員の人選には納得がいく。
私は画を描くことに苦手意識があって、とくにマンガの類はホントに描けない。
なぜかというと、どうも「対象物を正確に描こう」「画のリアリティを追求しよう」という意識が強過ぎて、全体的にまとまらなくなってしまうのだ。
「画がダメな分、文章については少々ながらも才能に恵まれたのかもしれない」──そんなふうに自分で自分を納得させている。